1.
幸あれ、かの日に、かの月に、かの年に
かの季節に、かの時期に、
かの時間に、かの瞬間に
そして、美しき両の瞳に導かれ
私がたどり着いた
美しきかの国に、かの地に、幸あれ
そして、愛の神がもたらした
最初の甘い苦悩に、
私を射抜いた愛の弓と矢に、
心臓 こころにまで達する 
その傷に、幸あれ
女性の名を呼び
幾度となく響き渡った
私の声に、ため息に、涙に、
焦がれに、幸あれ
彼女に名声をもたらした
すべての私の詩行に、
そしてただ彼女だけのものであり
他の誰のものでもない
私の思考に、幸あれ

2.
平和は見いだせず、
しかし 戦いくさをするでもなく
怖れ、望み、炎と燃え、
かつ凍てついている
天空を舞い、かつ大地に臥がす
そして何も抱き締めず、しかし全世界を抱擁する
このように私を檻に入れ、決して開けず、監禁もせず
私を縄で締め付けもせず、だが緩めもせず
愛は私を殺さずとも、自由も与えず
私に生も求めず、私の苦しみも取り除きはしない
目なくして物を見、舌なくして叫ぶ
傷つくことを望み、同時に助けを求める
自らを憎み、他人を愛す
苦しみを糧とし、泣きながら笑う
死も生も等しく私には気に入らない
貴女ゆえに、このような状態に私はあるのです

3.
私は地上に天使の如き行いを見た
そして世に二つとない天上の美を見た
その記憶が私に喜びと苦しみをもたらし
他に見える物すべてが、虚ろな幻影ように思える
そしてその美しい瞳から涙がこぼれ落ちるのを見た
その瞳は幾度となく太陽を 羨うらやんだ
そしてため息に乗せられた言葉を聞いた
それは山を動かし川をせき止めるかのようだった
愛、理性、価値、哀れみと、苦しみ
それらの涙の声がかつてない甘い調和となって
響きわたっていた
空はその響きに静まり返り
枝の葉も微動だにしなかった
大気と風には限りない優しさが満ち溢れていた

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